masa102’s blog

40代でハマったブルベの走行記録

BRM320近畿600km 熊本ワンウェイ&初SR達成!

今年の目標、初SR達成まであと600kmのみ。申し込んだのは京都から熊本まで走破する片道ブルベ。熊本までチャリで⁉︎というインパクトが強かったので。難易度は上級(今野氏基準)、フェリーに乗る70分とその待ち時間、ラストの阿蘇山をどう攻略するかがポイントだ。


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装備は、だいぶん暖かくなってきたので薄手の長袖ジャージ(ルコック)、ウインドブレーカー、雨予報はないけど防寒用にカッパをサドルバックに詰め込んだ。

行きは園部駅まで嫁に送ってもらって6:30スタート(いつもありがとう)。制限40時間だから熊本には次の日の夜22:30までに着かないといけない。フェリーの時間も込みだ。

今回は5:00から9:00の間で自由にスタートを選べることもあり最初から単独走行になった。コバンザメと思われたくないので今回は最初から最後まで人の後ろにつくことはしなかった。

まずスタートの園部からpc1滝野までの100kmは山の中のアップダウンをこなしながら淡々と進む。風は向かい風2〜4mくらい?このくらいは良かった。。

pc1は11:54着。貯金1時間。向かい風の影響もあるけどまぁこんなもんか。もうちょっとあげていかないとだけど、既に左膝に違和感が出てきている。

ここから向い風がエゲツなくなってきた。

 

「heysiri!今の風速は?」を活用してちょくちょく調べてるとだいたい5〜7m/s、自転車乗りにとっては暴風だ。ずっとまあまあな上り坂を進んでる感じ。もうこの時点で左膝がすでに死にかけてて右膝もヤバくなってきた。上り坂も向かい風も、調子に乗って踏みまくったせいだ。単独走行もあってまともに風の抵抗を受けてしまっていた。DNFして今から引き返すか?岡山から電車で輪行か?とすでに帰る方法を考えてしまっている。そんな時、ツイッター仲間から「向かい風の時は踏みすぎ注意!クルクル回すのを意識して!」とのアドバイスをもらった。まさにどストライクなアドバイスだった。さすが先人、同じ苦境を乗り越えて来られてる。そこからクルクルを意識して走ると膝痛がおさまる感じがしてきた。

pc2  岡山赤磐170km地点へは16:00着。1時間半の貯金。若干遅れ気味だけどなんとか予定の時間をキープしている。

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岡山市内を抜けると井原市付近で日が暮れ始める。この辺りからようやく風も収まってきた。県境の峠を越えると福山に入った。

pc3福山240km地点には21時着。貯金は1時間。体のいろんなところが痛くて休憩間隔が短くなり、スピードが上がらない。予定時間よりも1時間遅くなってて仮眠時間がどんどん削られていく。焦る。

しまなみ海道には22時頃に突入した。橋ごとにかなり登らされるが、夜なので景色は全く見えず、橋のライトアップもそれほどされてない。ただただ島々を渡っていく。疲れのピークが近づいている。睡魔が頻繁に襲ってくるようになり、一車線の幅まるまる使ってフラつきいている。さすがに危ないので展望台の冷たいベンチを見つけて10分だけ仮眠をとる。寒くてすぐ眼が覚める。これを何度か繰り返しながら走った。

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pc4瀬戸田、290km地点には0時40分着。貯金1時間半。残り半分まで来たが計画より2時間も遅く、仮眠時間はほぼ取れない計算になってきた。睡魔には大声で歌うのが効くというアドバイスをもらったので、スマホで音楽を鳴らしながら、栄光の架橋を熱唱しながら走ってみると、たしかに眠気は取れた。しかし一向にスピードは上がらず、計画からどんどん遅れていく。

 

pc5松山380km地点には6:50着。貯金1時間だけど、計画よりも2時間遅れだ。仮眠時間も取れず、目標の10:30のフェリーには絶対間に合わない時間になってしまった。この辺りで認定完走はほぼ絶望的になってしまった。初めてDNFになるのか、ここまでこんなに頑張ったのに認められもしないのか、600kmの壁はこんなに高いのか、とかいろんなことを考えて、無性に悔しくて泣きながらチャリを漕いだ。

 

2日目の朝、今日は風もなく最高にいい天気だ。日が昇ると睡魔もなくなり、膝も嘘のように痛みがなくなってきた。足が動く。ここまできたらいけるところまで行こう!と気持ちを切り替えた。認定外完走でも今の自分にとったら凄いことなんだ。

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pc6愛媛長浜、420km地点には8:40着。1時間40分の貯金、計画の1時間遅れ。

三崎港まで50kmだから頑張れば11:30のフェリーに乗れるかも。

フェリーは10:30を予約していたがこれには全く間に合わないのでキャンセルの電話をした。担当者によると予約の変更は当日は不可で、輪行バッグに入れない状態だと予約を含め先着5台まで、だそうだ。輪行バッグは熊本のホテルに送ってあるので持っていない。またまた絶望感が増してきた。

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三崎港までの50kmは海に突き出た半島にも関わらずかなりの山岳地帯。油断してたのでかなりこたえた。12:30のフェリーが見えてきたので一縷の望みを持ってそこからかっ飛ばした。

pc7三崎港には12:00着。1時間40分の貯金のまま。急いでフェリー受付に行くと12:30の便は予約で一杯とのこと。13:30には空きがあるので、それに乗ることに。ここで90分の待ち時間プラス乗船70分。計160分のロス。。

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乗船中は1時間くらい寝ることができて、かなりスッキリした。

佐賀関港には14:40着。とうとうチャリで九州まできた。ゴールまではここから130km、残り7時間ちょっとか。。平坦でフレッシュな脚なら間に合う時間だ。とにかくいけるとこまで行ってみよう!同じフェリーの同乗者を置き去りにしてかなり飛ばし気味で走る。膝が壊れてもあと100kmくらいなら歩いてでもなんとかなる。阿蘇山は裾野が広くて最初はなだらかな坂道が続く。なかなか麓にもたどり着かない。そのうち日が暮れてきて真っ暗になってきた。

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前のフェリーに乗ってたと思われる仲間数名に追いついた。5時スタートだったらしくすでに認定外確定だそうだ。長い登り坂を過ぎると段々と険しいアップダウンが現れる。何度繰り返したかわからないが、足付きしないとかいう意地は既になく、とにかく歩いてでも止まらず前に進むようにした。でもまだカラダは信じられないくらい動いてくれた。約20kmの登り区間(裾野を含めると60km!)を過ぎ、阿蘇山超えの最高地点884m、565km地点に着いた。ここからは下り区間だ。この時点で認定ゴールが見えてきた!真っ暗の山の中、年甲斐もなく、やったー!すげー!とか叫んでしまった。泣くほど嬉しいのは久しぶりだった。

通過チェックの南阿蘇白水には、21:14着。残り20km、貯金はほとんどないが下りなのでここまでくれば大丈夫のはず。

フィニッシュの肥後大津までは下り基調だかそこそこ登りもあり、意外と時間がかかって焦ったが、22:18に無事ゴール!

総距離601km、39時間48分、残り12分の今までで一番しびれたギリギリのゴールだった。


振り返ってみると、岡山での暴風向い風と膝痛、しまなみの睡魔、フェリー待ち峠、ラスボス阿蘇の強烈なアップダウン、と40時間のうちにいろんなことを乗り越えてのゴールだった。ツイッター仲間からいろんなアドバイスや応援を貰えたのも大きかった。1人だったら絶対諦めてるし、完走した後の喜びを共感してくれるのもとても嬉しかった。

これでブルベ7戦目でSRを初獲得、変態の仲間入りだ(笑)


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