masa102’s blog

40代でハマったブルベの走行記録

SR600紀伊山地 初挑戦は無念のDNF

目標にしていたSR600に挑戦してきた。国内のSR600では1番難易度が低いと言われる紀伊山地。でも走った人の満足度は高い。総距離600Km 10000mアップは未知の領域だ。BRMと違って完全な単独ライドになるから完走するにはいろんな経験が必要になる。

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出走は秋の3連休に合わせて9/19-21にした。服装は半袖ジャージに半パンと完全に夏仕様。防寒はウインドブレーカーとワークマンカッパ上下にした。結局使ったのはカッパの上だけだけど、多少安心感があって良かった。気温は27℃〜17℃。

 

スタート地点pc1は堺りんくうタウンセブンイレブン関空からすぐにスタートできるような位置にあってよく考えられてるなぁと思う。スタート時間は7時にした。前泊はせず自宅の伊丹から嫁に車で送ってもらった。いつもありがとう

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コンビニ店員さんの激励を受けて、7:00ちょうどのレシートをもらって出発。ここのセブンは6:00オープンらしいので早くスタートする場合は駅の入場券の方がいいみたい。

なだらかな市街地を抜けると目の前に紀伊山地が見えてくる。これから60時間、この山々と格闘すると思うと気が引き締まる。牙を剥かれるか、あたたかく迎えてくれるか。。 

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最初の難関はpc2 葛城山。この山は前回の山岳ブルベでも登ったが、その時は難易度最高レベルの蕎原ルートで押し歩きまくった二度と行きたくない山だ。今回は幸いひとランク難易度が下がる犬鳴ルート。15%超の傾斜が所とごろあるけど長くは続かないのでまだ登れる。足つきもなく、まぁSR600なので覚悟していた分だいぶん楽に感じた。(しんどいのはしんどい)

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葛城山の下りは中尾ルートというらしい。蕎原ルートと並ぶ最高難度のルート。中伏でグロッキー状態のローディを発見。紀伊山地リバースをツーリスト部門で参加しているのだとか。リバースはここを最後に登るのか。。(ゴクリ)

紀ノ川を越えて次はpc3 丹生都比売神社へ。この日2番目の山登り。ここも結構しんどい、完全に油断してた。登り切ると天空の村っぽいところに丹生都比売神社はあった。いわれとか知らないけど名前も建物も厳かでカッコいい。にうつひめ、と読むらしい。道端に売ってたトマトがうまかった。

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紀ノ川に戻るとしばらくは川沿いを進んでいき、次のpc4モンベル五條店。ここは平坦なところにあって気がついたら着いていた。天気も良く順調に進んでいく。昼食は吉野山に登るちょっと手前のエーコープで。

次はpc5吉野山。観光客を縫ってえっちらおっちら登っていくとコウヤマキの群落看板に着く。最近看板が新しくなってて文字も読みやすかった。桜がないとただの山なのに結構観光客がいる。桜の時期だとチャリに乗っては登れないだろう。反対側から登るのもアリかも。

吉野山を過ぎると七色ダムまでpcがない。80km先まで大きな山を越えていく。途中でっかいダムが二つ。写真には写らない圧巻の迫力がある。トンネル手前の道の駅でソフトクリームをいただく。ながーい登りの先にあるループ橋を過ぎるとやっと山の向こうへ。ここからは下り基調だ。

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デイリーヤマザキを見つけて止まってみると去年の初ブルベで今野さんにカップラーメン準備してもらった場所だった。懐かしい。

この辺ですでに暗くなってくる。七色ダムまでが遠い。猿2匹、鹿数頭に出会う。普通のブルベなら前後に誰かいるからちょっと安心感あるけどSR600は誰もいなくて心細くなってくる。

ようやくpc6七色ダムに到着。ケモノの気配にビクビクして、早く街に出たくて足早に通り過ぎる。そもそも真っ暗で何も見えない。

途中、名古屋600kmの参加者2人とスライド。1人と少し話したところ参加者6人とか。オダ近は参加者多いんだな。山の中で仲間に出会えて少しホッとした。

次はpc7丸山千枚田。昼間に来るといい景色なんだろうが、真っ暗の中、道端にあったカカシにびびらされる。

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ここを超えるとだんだんと新宮の街中へ。ここまで200km以上山の中を走っているからだいぶん疲れが現れてきた。

pc8熊野速玉大社。ここまで230km。ここでストラバがフリーズ、ログが飛ぶ。ブライトンも早々にバグっていたので1日目のログがなくなってしまった。

1日目の宿はパルスイン勝浦。23:00ごろ着いたけど心良くチェックインさせてくれて、チャリもロビーで保管してもらえた。

1日目は予定通り250kmを15kmペース。天気も良く機材トラブルもなし、この先も順調ならなぁ。

ウェアを水洗いし、電気製品を充電して、5時間爆睡。

 


2日目は6時スタート。那智勝浦から龍神温泉までの約200km。残念ながら朝から雨予報。朝日が一瞬見えたけど出発後まなしに雨が降り始める。カッパの上だけ羽織る。

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pc9熊野那智大社はスタートしてすぐ到着。那智の滝がきれいだ。雨がしとしと降る中、那智山を登っていくとだんだん道も荒れてくる。この辺りが一番雰囲気が良かった。雨の熊野古道の雰囲気をチャリで満喫しながら黙々と走る。一生のうちで何回かしかない充実した時間に感じた。

途中所々に木の皮が剥がさせた跡が。。熊?

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次の山場はpc10玉置山。2日目のメインだ。紀伊山地のど真ん中の山を登り始めるとこれまで全くなかった機材トラブルに襲われる。突然後輪がパン!という音とともに一瞬でパンク。

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いつものパンクかと思ったが今回はちょっと違った。タイヤのサイドを見ると擦れた跡があり、薄くなったところに切れ目が入っている。そこからチューブがはみ出てきて破裂したらしい。チューブはパッチで直せるけどタイヤの直し方なんて知らない。とりあえずタイヤの裏側にパッチを貼って、チューブは交換してみた。しかし空気圧を上げると切れ目からパッチがだんだんはみ出てくる。携帯ポンプもかなり年季が入っており、ピストンのシールが劣化してて高い圧まで上げれない。時間もないので仕方なく低めの圧力で再び走り始める。なんとか行けそうだ。1ー2km登ったところで一瞬下りになり、気が緩んだところに逆さグレーチング!避けきれず後輪がモロにハマってしまう。すぐにリム打ちパンク。

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替えのチューブも一本しかもってなかったのでパッチで直し始めるが焦ってうまくいかない。複数箇所に穴が開いていて、2-3回やり直し、パッチもなくなってしまった。携帯ポンプも限界が来ている。なんとか走り始めたもののスローパンク状態で何度も空気を入れながら山を登る。世界遺産の石碑には予定の2時間遅れ。これ以上の時間のロスはできない。

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しかし、とうとう後輪は完全にパンクしてしまい、直す手段も無くなってしまった。パンク状態でも40km走ったという三船さんを思い出し、しばらくパンク状態で山を降りてみるがとても走れたもんじゃない。結局5kmほどを押し歩きながらこの状況の打開策を必死に考えた。しかしここは紀伊山地のど真ん中。こんな秘境にチャリ屋はなく、ここでブルベ初めてのDNFを決めた。

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さて、どうやって帰ろう。。

au自転車保険のロードサービスがレッカーサービスをしてくれる。龍神温泉までは最短距離でちょうど50kmだったのでそこまで連れて行ってくれることになった。425号線(死にゴー)、以前ネットで見たことがあったやばい道だ。その道を2トンのレッカー車で真っ暗な中3時間走ってくれた。レッカーのお兄さんありがとう。


龍神温泉からの交通手段もなく、翌朝嫁が迎えにきてくれた。嫁、、すまんなぁ。


初めてのDNF。悔しかった。体力はまだあったけど整備の経験値が全く足りなかった。絶対リベンジしてやる!